本格的なリハビリの開始
 

 

 今日から(10月4日(月))本格的にリハビリが始まります。最初は作業療法からです。女性で小柄で若いI先生が指導してくれます。
 少しだけ動く右手の訓練です。まだ、字を書いたり、鼻くそをほじくったり等の細かい動きはできません。麻痺していない左手と麻痺した右手を組むと、他人の手と組んでいるような感覚しかありません。握力も10kgにも届きません。

 最初は、幼稚園の時にやったような知能テストから始まります。四角い箱が目の前に用意され、重い順に並べ替え変える訓練です。左手では百発百中ですが、箱を持つことが精一杯の右手では、重さを感じることができませんでした。また、同じように、硬さが違うスポンジも数種類用意され、堅い物の順に並べる訓練も並行して行われました。しかし、これもできない、何十日続ければできるようになるのだろうか?20分しかしてないのにこれだけで疲れてしまった。

 つづけて、T先生の理学療法の訓練です。この日は、最初に歩く姿をビデオに取られました。10mぐらいしか歩けませんが、自分では普通に歩いているように思っていました。しかしながら、ビデオに映った自分の姿を見て愕然としました。右手はダランと下がって、右足もすり足状態で、しかも体全体が傾いているという、どうみても「私は右麻痺です」と言っているような歩き方でした。

 ビデオを見た後、早速訓練に入ります。ここでは、認知運動療法が取り入れられており、「運動療法の目的は運動の認知過程への適切な介入である」という理念に基づいて指導されます。1970年代にイタリアの神経科医によって開発された運動機能回復のための新しい治療です。一般的なリハビリというと、主流は関節運動や筋力強化に主眼を置いた米国式で、動かなくなった関節や筋肉が固まらないように動かします。これに対して、認知運療法は「麻痺は脳の損傷が原因」という考え方に立って、知覚したり、判断したり、言語化したりすることを訓練します。そのため、激しい動きや痛みは伴いません。療法士の先生からは、脳をいかに使うかを徹底的に教示され、患者は体を使って考えます。

この日から、いろいろな機材を使いながら、T先生の口癖である「脳にいろいろな経験をさせましょう」が始まりました。T先生、いつも昼休みに入っても、時間を延長して指導してくれました。ほんとうにありがたいことでした。そして、自主トレの宿題(課題)も毎回出され、家に帰ってからもこの課題に取り組む毎日となりました。
訓練の内容は、おいおいお話していきます。

     
 
 
     
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