平成16年10月1日(当院初診日)
@ 問診の結果

 
 国立病院長崎医療センターからの紹介にて当院を受診。
左前大脳動脈解離(平成16年8月28日発症、合併症に糖尿病と高血圧症)による右不全片麻痺の診断で当院長より理学療法及び作業療法の処方が出され、当日よりリハビリが開始となりました。

 まずは簡単な自己紹介と挨拶の後、問診に入ります。当院での診察所見や国立長崎医療センターからの診療情報提供表などの内容を確認しつつ、これまでの治療の経緯やリハビリの状況や現在の身体の状態、仕事のことなどを含めた発症前の身体状況や生活状況・・・・などを聞いていきました。
 
次に実際に身体を動かしながら、状態を検査・評価していきます。
まずは、麻痺側である右側(利き手側)の麻痺機能についての検査を行いました。これには、ブルンストロームのステージ(Brunnstrom stage)を使用しました。(一般的に「Brunnstrom stage」が多く使われており、上肢・手指・下肢の麻痺の程度を1〜6の6段階に分けて評価します。数字が大きいほど良いとされています。ただし、個々の麻痺の質的なものまで診られるわけではありません。)
検査結果は、右側上肢(肩から手まで)が6、手(手全体・5本の指)が6・下肢(腰から足まで)が4〜5でした。右側上肢機能及び手指機能は共にステージ6と量的には良好でしたが、「右手首に重い腕時計をつけているような感じ」、「ざっとした感じ」、「思い通りに動かない」「両手を組むと右手は他人の手のよう」などの記述があり、質的には多くの問題点があるように思われました。

 一方、右側下肢機能は4〜5と、上肢・手指に比べると量的にレベル低下がみられました。また、質的にも「足が勝手に縮んでしまう」「引きずられる」「上がってこない」「もつれる」「足に重りがついているようだ」「びっこを引いているよう」などの記述があり、こちらも多くの問題があるように思われました。
筋緊張については、右下肢で亢進(筋肉が過緊張を起こしているような状態・専門的にはこの場合、痙性といいます)がみられました。

 関節の可動域(動く範囲)は、自主訓練をされていたこともあり、拘縮(関節が硬くなって制限が出来ること)などはみられませんでした。
日常生活動作(ADL)では、寝返り・起き上がりは可能でしたが、ぎこちなさがありました。坐位保持は、姿勢がわずかに左に傾いていましたが、比較的安定していました。立ち上がりは、左側(非麻痺側)に傾きかげんで、ほぼ左側下肢(非麻痺側)で立っていて、右側下肢(麻痺側)への荷重は少ないように感じました。そして立位保持では、両足を揃えるとフラフラする状態でした。

 また、日常生活場面では、箸が持ちにくい、字が書けない、更衣(主に下半身)が一人では難しい、靴の着脱がなかなか出来ない、風呂に入るのが恐いなどの問題や、電話口でとっさに言葉が出ないなどの言語障害も見受けられました。
 
 
 
   
 
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