平成16年10月4日
B実際に行った治療

 
 
 問診時の言語記述や動作観察、諸検査の結果より考察して、まず床面と接している足底面からの様々な感覚情報の不足や、感覚情報などにもとづいた適切な姿勢制御・筋出力制御が不十分であると思われましたので、最初に坐位で硬さの違うスポンジを踏む接触課題を実施し、床面と身体との圧情報の再組織化を図りました。(具体例と同じ課題です)

 まず座位にて、左右各足部でそれぞれ違う硬さのスポンジを踏んでもらいました。すると、どのスポンジにおいても右足部で踏んだときの方が、左足部で踏んだ時よりも硬く感じられました。次に、左足で5種類(1〜5)の硬さの違うスポンジを踵で踏んでもらったところ、すべてのスポンジの識別が可能でした。しかし、右足(麻痺側)ではなかなか識別することが出来ませんでした。そこで、ひろあきさんの注意がスポンジの圧に向けられるよう、ゆっくりと踵を押し付けながら3種類(1・3・5)のスポンジの差異を識別する訓練から開始しました。
 
 
 
 
 
 次に、すり足様歩行および「足が上がってこない」「足が引きずられる」「びっこを引いているよう」などの言語記述より、右下肢の適切な筋収縮が出来ていないことや、身体イメージ(股関節や膝関節・足関節がどのくらい曲がっているか、どのくらい足が上がっているかなど)と実際の動きとの間にズレがあることが予測された為、高さを識別する空間課題を実施しました。
 
 
 
 
 まず座位で、閉眼で療法士が他動的に左右それぞれの足を15cmの高さ(3cmのブロック×5個)に上げてみたところ、同じ高さであるにも関わらず右足(麻痺側)の方が高く上げられたように感じられました。そこで、注意が股関節の動きに向けられるよう、ゆっくりと股関節を曲げて足を上げながら3種類(1・3・5)の高さの差異を識別する訓練を開始しました。

  最後に、右下肢(麻痺側)の振り出しのぎこちなさや、「足がもつれる」などの言語記述から、方向を識別する空間課題を実施しました。これには、軌道ボード(マジックで数種類の軌道を書いた板)を使用しました。
 
 
  
 
 
 まず座位にて、閉眼で療法士が他動的に足部(つま先)を使ってマジックで書いた3種類の軌道をなぞり、方向の差異を識別する訓練を開始しました。その後、注意を集中することで3種類の大まかな差異(違い)に気付かれてきたので、立位で3種類の軌道を自動運動でなぞってもらいました。
 
             
 
 
     
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